保険診療と自費診療の違い
入れ歯には保険が適用される保険診療のものと、自費で行う自費診療のものがあります。この2つにはそれぞれ異なるメリット・デメリットがありますので、ぜひ詳しく知っていただければと思います。
保険診療の入れ歯は費用を抑えられ短期間で製作出来ますが、使用可能な素材が限られてしまったり、装着すると違和感がある、使用感が良くないなどのデメリットも存在しています。その一方、自費診療の入れ歯は高価になりますが幅広い素材や構造から選択することが可能で、更に噛み心地はもちろん見た目の美しさも実現出来るなど、数多くのメリットがあります。
保険診療の入れ歯のメリット・デメリット
メリット
- 費用を抑えられる
- 製作期間が短い(1ヶ月程度)
- 壊れてしまっても比較的修理がしやすい
デメリット
- 使用可能な素材が限られる(床部分はレジンのみ)
- 部分入れ歯の場合、金属のバネを使用するため目立つ
- 床部分が分厚くなるため装着感、使用感が劣る
- 周囲から入れ歯だと気付かれやすい
- 自費診療の入れ歯と比較すると噛み心地で劣る
- 耐久性で劣る
自費診療の入れ歯のメリット・デメリット
メリット
- 使用可能な素材や構造を自由に選択可能で、噛み心地だけでなく見た目にも優れている
- 床部分に金属を使用することで薄く軽くすることが可能で、装着感が良く、食べ物の温度も感じられる
デメリット
- 形によっては修理できないものもある
- 製作期間が長い(数ヶ月程度)
- 保険適用外となるため治療費が高額になりやすい
入れ歯の種類
総入れ歯
◆レジン床(保険診療)
特徴
歯茎を支える床部分が歯科用プラスチックのレジンで出来ている入れ歯
メリット
- 保険が適用されるため費用を抑えられる
- ほとんどの症例に対応可能
デメリット
- 床部分が分厚くなるため装着感が良くない
- 食べ物の温度を感じにくい
◆金属床(自費診療)
特徴
歯茎を支える床部分に金属(主にコバルトクロムを使用)を使った入れ歯
メリット
- 床部分を薄く、軽くすることが出来るため装着感が良い
- 金属のため熱伝導率に優れ、食べ物の温度を感じやすい
- 汚れにくい
- 耐久性に優れている
デメリット
- 自費診療のため比較的高額になる
- 金属アレルギーを引き起こす可能性がある
◆白金加金床(自費診療)
特徴
歯茎を支える床部分に白金加金(プラチナにゴールドを加えた金属)を使った入れ歯
メリット
- 金属アレルギーを引き起こすリスクが低い
- 金属のため熱伝導率に優れ、食べ物の温度を感じやすい
- 加工しやすい
- 装着感が良い
- 食事を美味しく食べることが出来る
デメリット
- 自費診療のため比較的高額になる
部分入れ歯
◆レジン床(保険診療)
特徴
歯茎を支える床部分が歯科用プラスチックのレジンで出来ている部分入れ歯で、金属のバネで固定して装着する
メリット
- 保険が適用されるため費用を抑えられる
デメリット
- 金属のバネが目立ってしまう
- 噛む力が弱い
- 装着した時に違和感を感じることがある
- 金属のバネをかける他の歯に負担がかかってしまう
◆金属床(自費診療)
特徴
床部分が金属の部分入れ歯
メリット
- 金属バネを目立ちにくくすることが可能
- 床部分を薄く出来るため装着感が良い
- 金属のため熱伝導率に優れ、食べ物の温度を感じやすい
- 耐久性に優れている
デメリット
- 自費診療のため比較的高額になる
- 修理出来ない場合がある
◆ノンクラスプデンチャー(自費診療)
特徴
金属のバネがないシリコンで出来た部分入れ歯
メリット
- 金属のバネがないため見た目が良い
- 他の歯に負担をかけることがない
- 装着感が良い
- 金属アレルギーを引き起こす心配がない
デメリット
- 長期使用でシリコンが変色する場合がある
- 大きな温度変化で変形してしまう可能性がある
- 骨吸収が生じやすく骨が痩せる場合がある
その他の入れ歯
◆コーヌスクローネデンチャー(自費診療)
特徴
目立つ金属のバネは使わず、クローネと呼ばれる二重構造の冠を使用するはめ込み式の入れ歯
メリット
- 金属のバネを使用しないため見た目が良い
- 装着感が良い
デメリット
- 別の歯を削り支えとする必要がある
- 比較的治療費が高額になる
◆マグネットデンチャー(自費診療)
特徴
残った歯根部分と入れ歯の内側に取り付けた磁石の強い磁力によって固定する入れ歯
メリット
- 金属のバネを使用しないため見た目が良い
- 他の歯に負担をかけることがない
- 装着感が良く、しっかり噛むことが出来る
デメリット
- 金属アレルギーを引き起こす可能性がある
- 比較的治療費が高額になる
◆インプラントオーバーデンチャー(自費診療)
特徴
通常のインプラントに人工歯をはめ込むという治療とは違い、特殊な金具によって埋め込んだ人工歯根と入れ歯を装着し維持するという入れ歯で「マグネット式」「ボール式」「バー式」「スナップボタン式」など取り付け部の形式にいくつかの種類があります。
メリット
- 入れ歯を固定することが可能
- 見た目が良い
- 取り外し可能で、手入れがしやすい
デメリット
- 適用出来ない症例もある
- インプラント埋め込み手術を行う必要がある
- 比較的治療費が高額になる
◆BPSデンチャー(自費診療)
特徴
シリコンを使って精密に作られる入れ歯
メリット
- 引っ張っても取れにくい
- 硬いものも薄いものも美味しく食べることが出来る
- 見た目が美しい
デメリット
- 自費診療となるため治療費が高額になる
BPSデンチャー
大滝歯科医院では精密義歯であるBPSデンチャーの製作が可能です。
「Bio-functional Prosthetic System(生体機能的補綴システム)」の頭文字を取ったBPSは、リヒテンシュタイン公国のイボクラール・ビバデント社によって開発された高品質な入れ歯製作システムのことで、「しっかり噛める」「外れない・落ちない」「痛くない」「見た目が美しい」という、従来までの入れ歯にはなかった優れた特徴をいくつも兼ね備えています。
また、素材の品質管理や製作手順が高度にシステム化されたBPSデンチャーシステムには「安定して高品質な入れ歯を製作出来る」「入れ歯についての要望を細かく反映することが出来る」というメリットもあります。
BPSデンチャーの主なメリット
- 顎に吸い付くような装着感があり、使用中に外れてしまうということが非常に少ない
- 力がかかってもずれにくく、硬いものでもしっかり噛むことが出来る
- 汚れや黄ばみが付着しにくく、美しい見た目を維持出来る
- 耐久性が高く壊れにくい
- 歯茎と入れ歯の間に食べ物が詰まりにくい構造になっている
大滝歯科医院は「BPSクリニカル認定医」です
特別な入れ歯製作システムであるBPSデンチャーを取り扱うことが出来るのはイボクラール・ビバデント社による認定を受けた歯科医師や歯科技工士のみです。
当院の大滝正行院長はBPSクリニカル認定医となっておりますので、高品質のBPSデンチャーを沢山の患者さんにご提供させていただくことが可能です。